てしごと goto goto

手仕事する日々

梅雨の麹はお休み

共麹で継いだ麹をさらに共麹にしてみたところ、とりあえずは成功しましたが、続けるのは微妙な感じがしたので一旦終了しました。

 

 

今回はそんな共麹話と、コバエに思うこと、どぶろぐのことを考えていたら起きた不思議なシンクロニシティのお話。

 

 

 

 

共麹→共麹の実験

 

さて前回、市販の乾燥麹を種にした共麹を試したところ成功したので、気を良くしたわたしはさらにそれを種として共麹をつくることにしました。

 

 

1回目に成功した麹を60グラムほど取って、タッパーに入れて冷蔵庫保存すること約2日。洗米して24時間浸水した1合分の米を蒸し、冷やしたものに混ぜて常温においておきました。手順は前回とほぼ同じです。

 

 

ただ、今回は生の麹を使ったので、蒸し米に対する麹の量が少なかったかもしれません。前回は米1合に対して乾燥麹50グラム、今回は生麹60グラム。水分量を計算していなかったのはミスでした。乾燥と生では倍くらい変わるかも?

 

 

発酵の度合いは、タッパーの底を触ったときの温度を体感覚で測っていたのですが(温度計を使うのはめんどくさくて…)、前回より温度が上がるスピードは遅め。ただ、24時間たつとホカホカしていたので、なんとかいけたみたいです。

 

 

それと、雨が続きで湿度がかなり高くなっていました。前と同じように乾いた布巾をかけた上からフタをしていると、フタに水蒸気がけっこうついていたので、もう少し湿度の調整をすべきだったかもしれません。

 

 

48時間になる前に、香りと味を見たところ、ほんのり酸味が。おいしい酸味だったので腐敗ではないでしょうが、発酵スピードは速いようです。それから、元種にした生麹がベチョベチョで溶けそうになっていました。そこで実験中断。

写真ではわかりづらいですが、元種の麹はベチョっとしてます

 

「ベチョベチョ」は危険な香りがしますよね。いま考えると、種にした麹だけ発酵が進みすぎていたかもしれません。前回、甘酒にしたときの酸味がすでに出ていたので。

 

 

これに水を加えて一晩放置し、甘酒にしました。酸味と甘みがいい感じでおいしかったです。

 

 

また共麹を試すのに一部をとりわけようか少し悩みましたが、今回はやめました。条件が悪かったので、コウジカビの力が弱って悪い雑菌が繁殖しやすい可能性を考えました。ただ、うまくやればできそうな気もします。

 

次やるとしたら、天気がよくて比較的乾燥した日に麹を乾燥させてから保存しておこうかな。

 

 

水を入れて一晩置いたら、酸味のあるおいしい甘酒に

 

コバエとナウシカ

 

 

糠床を始めて1か月、梅雨に入ったことも影響しているのか、はたまた麹づくりを始めたからか、コバエが数匹飛ぶようになりました。こいつは一体、どこから飛んでくるんでしょうね? 糠の中に卵がいるといいますが、必ずしもそれが理由ではないのではないか? と思ってます(買ってきた糠は冷蔵保存してますし)。

 

 

かつて掃除がずさんだった時代、恥ずかしながらほったらかしていた小麦粉の中に気持ちの悪いウジ虫とか、さらに成虫になった謎の虫が湧いていたこともあります。誰もが知るメーカー品の小麦粉で、良くも悪くもしっかり漂白されているはず。そこに最初から卵がたくさん産みつけられているというのは考えにくいな、って思ったんです。

 

 

また、食べ物には関係ない話で、わたしはこの10年で2回だけムカデを見たことがあるんですが、2か所とも「なんでこんなところに?」っていう不思議な場所でした。1回目は、久しぶりに実家に帰ってきたときに開けた押し入れ、2回目は新築だけどほぼ空き家のお風呂場。

 

 

2か所とも、なぜここに? どうやって入ってきたの? っていう不思議さがあったのですが、共通点はありました。どちらも、人が長らく放置していた場所でした。

 

 

わたしは、風の谷のナウシカよろしく、虫は自然の循環を促す使者だと思ってます。だからわたしが見たムカデは、人のいない場所に現れて、しばらく経っても人の手が入らないようなら、他の虫を呼んで分解していくような役割なんじゃないか、って。

 

 

そもそも、菌自体がそういうもの。発酵するにしても腐敗するにしても、菌が食品につくことで、食品自体の姿かたちを変え、土へと戻していく。しかし、少量ならばすぐに土に戻せたとしても、大きいとそうはいかない。

 

 

だから菌だけで分解しきれないと虫が来るようになってるんだと思います。

菌が分解することによって発生する匂いや浮遊する菌が虫を引きつけ、もっと大きいものになると、虫が鳥や動物を呼ぶ。みたいな

 

 

そういう前提で見ると、人間からするとコバエはひとつのサイン。菌だけで回せないようになって、腐敗に傾きかけているか、過発酵しすぎているということ。

 

健全な循環に戻せたら虫も消えるはずなので、コバエが1、2匹現れたら軌道修正します。「虫の知らせ」って慣用句がありますけど、たぶん本当に虫が知らせてくれるのを先人たちは知ってたんですね。

 

 

そういえば、1か月ほどまえにものすごい雷が落ちた日に、大量の虫が庭だけでなく2階の植木鉢からも発生したんです。神秘的な現象だなと思いました。気持ち悪かったけど(笑)

 

 

※この記事を書いた翌日、台所の窓の網戸にハエが2、3匹来ていてびっくり。うちの台所が気になるようでした。コバエが呼び寄せたのかな。

 

糠床を冷蔵庫に入れて休ませたら、ハエも来なくなりコバエも台所から消えました。7月にして酷暑、しかも梅雨という時期にいくら発酵食とはいえ常温で何かやろうとするのは危険ですね

 

 

 

パンとヨーグルトに出来立て甘酒を

 

さて、ちょうどパン酵母を使う日と重なったので、水分代わりにちょいと甘酒を入れてみました。普段から塩麹も使っているので、あまり大差ないかもしれませんが、菌がプツプツ元気な甘酒を入れると、また何か違うかもしれない、と。パン酵母たちがコウジカビに出会って「きみ、だれ?」とか言ってるかも。仲良くしてね。

 

 

ついでにヨーグルトも継いだのでこちらにも甘酒を少し。米の粒が残っているので、少々舌ざわりが悪くなりますが。おいしくなーれい

 

 

どぶろぐシンクロニシティ

 

そうそう、非加熱甘酒はおいしいんですが、油断するとアルコールが発生してどぶろぐになっちゃうので危険なんですね。前の記事で「なぜ60度に温める甘酒が一般的なのか? 生で作った方が菌が生きたままでいんじゃないか?」ってことを考えていたのですが、ウッカリ酒税法違反しちゃう恐れがあるからダメなのかもしれません。

 

 

海外は酒税法とかないので、どぶろぐをつくっていいらしいです。わたしが海外に住んだら絶対作るのになー

 

 

なんて考えていました。

 

 

その数日後。

 

 

ミステリー小説が読みたくなって、特にファンという訳ではないんですが、その日、「新川帆立!」っていうインスピレーションがきたので、図書館にいって推理小説の短編集を探してたんです。読んだことがないやつがあったように記憶していたので。

 

でも目的の本がなくて、同著者の別の本をふと手に取って開いたところ……なんと、どぶろぐ作りが乗っててびっくり仰天!

 

 

その話は、主婦がどぶろぐづくりをする短編でした。今のわたしの気分にドンピシャなのもびっくりなのですが、でも、現代でどぶろぐ作りする主婦の話ってどういうことでしょう? 酒税法違反じゃないですか?

 

不思議に思って改めて本を見たところ、「現代の日本の法律とは違うパラレルワールドの世界だったら?」みたいな設定の短編集でした。わたしの読んだやつは、「もし酒税法がない世界なら?」という設定とのこと。

 

 

こんな偶然ってあるでしょうか? 別にそういう本を求めていた訳じゃないんですよ。発酵食の本棚であればまだしも、国内小説の本棚だし。新川帆立でそんな本があるなんて想像もしなかったし。ミステリー以外に興味がないので、開いた最初のページに「麹がどうのこうの」って書いてなければすぐに閉じて戻していたでしょう。

 

 

この日、実はほかにも最近、無意識で考えたことのアンサー的な本が、今回と似たような感じで見つかったんです。「シンクロすごい」っていうのと「なんか怖い。けど楽しい」って感じです。

 

 

 

これ! この本を偶然開きました。