てしごと goto goto

手仕事する日々

麹をまわしてみたい

さて、前回やっと成功した共麹を元種にして、次も回せるか実験中。

 

 

こないだ、市販の乾燥麹をつかって培養するという「共麹」っていうのを試したところ、驚くほど簡単に成功しました。実際に林弘子さんも「今までの努力はなんだったの」と書いていたくらい。まあわたしは種菌から作ったことはないので、その苦労を知らないのですが。

 

 

共麹が成功したとなれば、次は酵母を回したいじゃないですか☆ でも、少し調べてみたところ、大抵は「自分で培養した麹を種麹にするのはやめておいた方がいい」とのこと。菌が弱っているとか、カビは危ないとか、まあいろいろ理由は書いていましたが、でもちょっと待って。本当に無理なの? 何事も一度は疑うべし(笑

 

 

 

で、こないだ図書館で麹とか発酵関係の本を読んだところ、自家製の麹を一部取っておいて回すということはあったらしいです。あとは通称「もやし屋(種麹屋)」さんというのが古くからあったとのことですが、専門店とはいえ今ほど衛生環境も整っていたわけではないでしょう。じゃあ、やろうと思えば普通の家でだってできないことはないでしょ✨

 

 

過去記事にも書いてるんですが、うちはパン酵母をずっと回しているので、逆に「なんで麹でやってる人がいないのだろう」というのが不思議でした。林弘子さんの本では、パンに生えたコウジカビを取っておいて豆味噌を作ったという記載はあったのですが、共麹から共麹を試した形跡はありませんでした。どっちかっていうと、パンのコウジカビから豆味噌を作る方が難易度高そうですけど。

パン酵母を回し続けている林さんすら麹をやらないのは、理由があるのかな? って気になってました。

 

 

それで普通の家で麹を回す人がいない理由について考えてみました。

 

思いついたのは、「そもそも麹を回し続けて何に使うの?」っていうところ。パンならばまだ主食として日々食べるものだから、パン酵母を回したい人はいてもおかしくないけれど、麹を使った発酵食品づくりは基本的に単発ですもんね。

 

 

しっかり乾燥させて密封して冷蔵庫にでも入れておけば、手作り麹を種菌かわりに取っておくというのも、できる可能性はあるけれど、そこまでして自家製麹やろう!って人もそういないでしょうね。そんなめんどくさくてリスキーなことをするよりも、種菌とか乾燥麹を買えばいいだけの話ですから。

 

 

ということで、麹を回す人がいないのは、なんとなく一人で納得したわけですが。

 

 

やっぱり自分の麹で回してみたい。

 

種麹や市販の乾燥麹も悪くないけど、”ウチの子”にしてみたい。たとえばうちのパン酵母はスターターとして使った白神こだま酵母の風味はすっかり消えて、すっかり”ウチの子”です。

家庭菜園の野菜も、勝手に落ちた種が次の年、また次の年と生えて、初年度はヒョロヒョロしてたのに、年々、ウチ仕様になってる感じがするんですね。逆に毎年、苗を買ったり市販の種から育てているものは、虫に食べられる率、高し。(うちの庭の地質は良いとはいえないので、)

 

 

スピが苦手な方はすみませんですが、「アナスタシア」ってうい本に書いてある野菜の育て方が面白いんです。「種を口に含んで唾液から情報を伝えて、それをまくと、その人に必要な栄養素を含んだ野菜ができる」っていうんです。初めて読んだときはスピリチュアルっぽいなと思っていたのですが、発酵に興味を持ちだしてからは、十分現実的な話だよなと思ってます。

 

唾液には口の中の微生物がたくさん含まれていて、遺伝子情報とかも入ってますよね。種は土にまかれたときにその土の情報(微生物)を取り入れて成長するのですから、唾液から情報を取るというのは十分考えられます。

 

何もせずに土に蒔くとしても、土の手入れをしたり、土地に住んでいる人はそこの微生物と情報をやり取りしながら暮らしているから、間接的に種と人とは情報を交換しているともいえる。口に含むのは直接的な情報交換なだけ。

 

 

それに通じる話で、必要な薬草は家の周りに勝手に生えてくる、という話もあります。土地は住人の情報を知っているんですね。わたしはドクダミが好きなんですが、生えないということは必要ないのかなあと思ったり(飲みたければ植えればいいんですけど)。

 

これを知ったのを機に、海外のハーブやアロマテラビーって本当に必要なのかな、という疑問が浮かんだのですが、これはまた別の機会に。

 

 

話がかなり脱線しましたが、酵母も植物もそうなのだから、カビだって回していったらウチ仕様になるはず。

 

 

でもなんで「菌が弱る」「雑菌が繁殖する」とか言われちゃうのかというと、菌生活に慣れてない人がやったら、大抵うまくいかないものだと思います。パン酵母だって腐敗する可能性は高いし、腐敗と発酵の見極めはある程度の感覚が養われている必要はあるでしょう(動物的な本能が鋭い人ならすぐ分かるかも)。

 

 

 

野菜の苗だって勝手に種が落ちる保証もなければ、負けてしまって枯れる可能性だってあります。数年前にスミレを買って植えたら、周りの草たちに負けて知らないうちに消えてしまいましたし。

 

 

生き物である以上は、うまくいかない可能性も大いに秘めているのが当たり前。なにごとも「絶対」なんてない。

 

 

よく考えたらパン酵母を回すことを提案している人なんて、そもそも林弘子さんだけかもしれないですね。まあ、難しいことではないものの、数日に1回は作業しなきゃいけないし地味に時間をとるので、ほとんどの人には向かないのかもしれません。それに、安全を保障できない方法は、人に安易に勧めるものでもないでしょうね。

 

 

そんなわたしも、今後も続けるかわかりませんが、とりあえずできるかどうかだけでも実験してみようと思います

 

 

 

米の中で遊ぶコウジカビ